仕事
ここでは仕事と微積について簡潔に説明します。
まずは仕事についてこんな意見があったので紹介しておきます。
ここは負けを認めて仕事について説明したいと思います。
一般に仕事は
「仕事 = 力 × 距離」
で表わせます。ただし、これも微積から求まります。
[ここがポイント!]
⇒
仕事はしたら負けではなく、仕事も結局は微積。
よく使う形で覚えるなら力に速度 v をかけて時間で積分すれば仕事が求まります。
こういうのはやはり言葉だけで説明するのは難しいので
実際に例を用いて説明したいと思います。
図のように、水平であらい床面上に静止している、質量が m の物体がある。
物体が静止している点を P とし物体を水平面と平行な向きに大きさ F の力で引っ張ったところ、
物体は点 P から距離 L 離れた点 Q を通過した。
物体と床面との動摩擦力は μ’mg とする。
(問)
物体が点 P から点 Q へ動く間、物体にはたらく動摩擦力のする仕事を求めよ。
(解答)
物体は点 P から点 Q へ移動しているので下図のように軸を取ってみます。点 P を原点としています。
物体に働く動摩擦力は μ’mg なので、
後は点 P から点 Q へ動いている時の物体の速度を v として
速度を動摩擦力に掛けて時間 t で積分してあげましょう。
物体が点 P から点 Q へ動く間と言っているので積分区間は点 P から点 Q までの間です。
ここで点 P における時刻を tP 、点 Q における時刻を tQ とします。
すると動摩擦力は次のように求まります。
計算式 2 行目について、
μ'mgL は時刻によらずに一定であり
点 P から点 Q へ動いている時の物体の位置を x とすると
であるコトより求まります。
計算式の 3 行目について、
時刻 tP における物体の位置は原点、時刻 tQ における物体の位置は L より
- μ'mgL - 0 となっています。
以上よりあらためて、動摩擦力のする仕事は
- μ'mgL
となります。
ちなみに軸を下図のようにとっても動摩擦力のする仕事は
- μ'mgL
と求まります。
計算式は次のとおりです。
計算式の 3 行目について、
時刻 tP における物体の位置は原点、時刻 tQ における物体の位置は -L より
μ'mg(-L) - 0 となっています。