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床が動く時の摩擦力の向き〜理由〜

ここでは、床が動いている際に物体に働く摩擦力の向きについて、
その向きになる理由を挙げてさらに詳しく説明しています。


床が動く時の摩擦力
摩擦力は床が動く方向と同じ方向に働くと書きました。
実は、この理由が動きを止めるの考え方で説明できるのです。
床が動いている場合、そっと物体を置いただけでも物体と床の間には摩擦力が生じてしまいます。
物体をそっと置いたのになぜ???と私はずっと思っていました。
床が動いてない場合と床が動いてる場合でどっかしら違いがあるわけですが
いまいち腑に落ちませんでした。


この運動は床が動いているからややこしくなってしまうのであって
床が止まっていれば考えやすくなりますよね。
だったら床の動きを止めてしまえばいいのです。
床の動きを止めちゃっても……
イイーんです!

ジ○ン・川平さんに聞いてもこう答えてくれるでしょう。



床が動く時の摩擦力では上図の例を用いています。
この場合、なぜ物体と動く床(ベルトコンベア)の間には右向きに摩擦力が生じるのか。
ベルトコンベアは等速運動しているのでベルトコンベアの動きを止めてみましょう。
ベルトコンベアと同じ動きをしている人から物体を見ると、下図のようになります。

まず、ベルトコンベアの動きを止めるということは、ベルトコンベアからの視点が基準になります。
つまり、ベルトコンベアから物体を見ると物体は左向きに速さVで動いているように見えるのです。
相対速度の考え方から
ベルトコンベアからみた物体の速度は、右向きを正とすると
物体の速度=0 − (V)= −V
と求まることからわかります。
これは実は、動いているベルトコンベアの上に物体をそっと置いただけにもかかわらず、
ベルトコンベアから見ると、物体は左向きに速さVで動いている事を意味します!
したがって、摩擦は運動を妨げようとする向きに働きますから右向きに動摩擦力が働くわけです。


同じ様に考えると、物体が右向きに速さV(ベルトコンベアと同じ速度)で運動しているときは
ベルトコンベアから見た物体の速度は V−V=0となって
物体はベルトコンベア上で静止して、物体とベルトコンベアの間に働く摩擦力は静止摩擦力になります。


また、物体の速度がベルトコンベアの速度Vより速ければ
(物体の速度)> V より
ベルトコンベアから見て物体は右向きに運動していますから動摩擦力は左向きに働くことがわかります。


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